怖い話芸人のダイノジ大谷が、稲川淳二の超こわい話からBest5をピックアップ!背筋も凍るような恐怖体験をお届けします・・・
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怪談の技術は、テンポで見せるテレビやお笑いと違うんです。この怪談の設定は細部まで緻密で、それでいて話の展開は時間的にも空間的にも壮大で長いお話になっています。そこにちりばめられ、積み重なっていく恐怖は、語り部・稲川淳二さんならではのマジックと言えるでしょう。
この方はあの、実業家でかなり有名な方でしてね、一時はよくあの、マスコミにも登場しましてね、活躍された方なんですが。
もう一昔以上も前ですかね、私と一緒にあの、ある番組に出てたんですね。
で、それはよくあの食事会というのがありましてね。あの、あちこちのその局の関係のところへ行っては、講演をするわけなんですよね。
あるときに、まあ、この人もともと、あの、大変骨董品とかですね、そういったものが好きで、また縁起をすごく担ぐ人なんですがね。
「淳ちゃん、俺、今度は面白い物を手に入れたんだよ」って言うんですよ。
「何手に入れたんだ?」って聞いたら、まあその方は珍しい物をたくさん持ってらっしゃるんですが、その、お面なんですよね。見せていただいたのが。
それがあの、なんというかプラスチックではないんですよ。で、瀬戸物ではないんですが、つるっとした白い肌でもって相当な時代のもんでしょうね。
それで、そのお面の下からですね、よだれかけみたいなこう、つるっとこの青い絹のようなきれが下がっていまして、下に金色のこのきれいなレースがね、かかったような、実にこの立派な物なんですね。
さぞかし昔のその、まあ王家なり、貴族なりが持っていた物ではないかと思いますが、物はたぶん中国の物であるとは思うんですが、それを見せてくれたんですね。それを覚えていたんですよ。
それからどれくらい経ってからですかね、彼があの、真顔になりましてね。ちょうどあれは四国かどこかへ行く、その、講演で行くときだったかな。同じタクシーでもって行ったんですよ。そうしたら、彼が言うんですよね。
「淳ちゃん、怖いもんだね、下手に集めることはできないよ」って言うんですよ。
「どうしたんです?」
「いや、あの、実は、あのお面のこと覚えてる?」って言うから、
「うん、覚えていますよ、あのお面。すごいお面でしたよね」って。
というのは・・・