怪談芸人・井上好井・好井が、もう絶対に心霊ロケには行かない!と心に決めた怖ろしい体験を激白。絶対に入っては行けないトンネルに入った好井。奇妙な出来事が次々と起こる中、なんとか帰宅する。しかし、家族を巻き込んでの本当の恐怖はここからだった…
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私、この話にとっても興味あるんですよ。好井さんの話に出てくるトンネルは、東京と埼玉の境目にある『旧Fトンネル』ですよね。実は私も、かつては何度も行ってるんですよ。
あのトンネルを有名にしたのは、連続幼女殺人事件の犯人『M』です。実は当時、私はテレビでコメンテーターをやっていて、番組で散々この事件に対して怒ったんですよ。
それから2、3日して局から電話がきて、「Mから稲川さんへ手紙がきた」と言うんです。実は、Mは私のファンでした。私の怪談テープを持っていたと、警察が教えてくれましたよ。
そんな怪談好きのMは、肝試し感覚であのトンネルに行ったことがあるそうです。彼は事件の後に、「トンネルの中で急に『あ、幼い女の子を殺さなくちゃ』と思った」と言ったらしいんですね。実はそれには、ある訳があると私は思っています。
かつて、あのトンネルの手前には小さな居酒屋がありました。そこには、おじいちゃんとおばあちゃんと、母親と幼い女の子がいたんです。
そしたらある日、賊が入って、そのおじいさんおばあさんを殴り殺したんですね。それで母親は、子どもに「逃げなさい!逃げなさい!」って叫んだらしいんです。賊は母親を追っかけまわして、その母親の頭を割って殴り殺したんですね。
それを見て小さな女の子は、必死で逃げてトンネルに入ったんです。女の子が逃げていく後を賊が追って、トンネルの丁度真ん中辺り、闇の中で女の子の頭を叩き割っているんですよね。
この悲惨な事件があった場所でMは、「幼い女の子を殺してやろうと思った」って言ったんですよ。ですから、彼はそれまでは、それ程異常な状態では無かったのかもしれませんね。これはちょっとゾクッとしました。
それから、トンネル近くの川にも話があるんですよ。秋にその川へ遊びに来た近くの工場の若者3人が、車から降りて「たき火しよう」ってことになったんです。
その時、「カサッ、カサッ」って音がして、「ん?」って振り返ったら女の子が立っていたんですね。「トントントン」ってボールが転がってきた感じがしたんで「あ、ボール探してるんだなぁー」って思ったら、両手を出したんです。掴んで渡してあげようと思って「はい」ってやった時に、なんか感触がおかしいなと思ったら、女の子が前に手を出した時に頭が無かった、って話があるんですね。
このトンネルは、とても興味深い場所ですよね。霊感の強い人はね、祟られないように気をつけて下さい。好井さんのところへは、どの女の子が来たんでしょうかね?
以上、稲川淳二セレクション怪談芸人の怖い話でした・・・