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【第三十四話】ハッカーの収入源って? 「コンピューターウイルス」都市伝説

「PCの機能低下はウイルスの可能性あり」
「ウイルスは人間にも感染する」
「Macはウイルスに感染しない」……

今や家電並みの普及率となったパソコン。
上に述べた3つは、パソコンとは切っても切れない悩み「コンピューターウイルス」にまつわる都市伝説です。

誰もがウイルス対策のためにパソコンを買ったわけでもないのに、買ったその日からインストールや更新を迫られる「ウイルス対策ソフト」──あなたはこんな噂を聞いたことがありませんか?

*    *    *

コンピューターウイルスを作った疑いで、ハッカー集団の中心メンバーと思われる少年が逮捕された。少年は嘘や冗談を織り交ぜて供述するため、取り調べは難航を極めた。

犯行の動機についての聴取で、捜査官は世間を騒がせて喜ぶ自己顕示欲や、ネットバンキングなどのパスワードを盗み取る金目当てと予想していたが、少年はどちらも「違う」と答えた。

「ウイルスを買う連中がいるんだよ」

少年が言うには、作ったウイルスは全て仲買人に売却していて、ネットバンキングの不正送金はもちろん、自分でネット上に拡散した経験すらないという。

「仲買人はウイルスを誰に売るのか?」その問いかけに、少年は「知らない」と答え続けた。捜査官は犯罪組織やテロリストの関与を疑い、捜査を続けた。ところが、結局ウイルスを売買するマーケットの尻尾を掴むことはできなかった。

そんなある日、少年は自作のウイルスが騒ぎを起こすまでの経緯を語り始めた。その中で少年は「ぼくが売ったウイルスは、3ヶ月から半年は世に出ない」と言って、こう続けた。

「でもネット上にぼくの作ったウイルスが登場すると、翌朝にはウイルス対策ソフトが完璧な退治方法を発表するんだ──まるで半年前から対策を研究してたかのようにね

少年はそう言って以後、黙秘を続けている。

*    *    *

──いかがでしょうか。

ウイルス対策ソフトのメーカーがコンピューターウイルスを拡散しているのではないか。こうした憶測やウワサはインターネットの黎明期からある、今や古典的な都市伝説です。

これに対し、あるメーカーは「一部のネットセキュリティ企業が既存製品の限界を確認するためにテスト用ウイルスを作成している事実からくるもの」と説明しています。
また、あるメーカーはハッカーを雇って自社ソフトのセキュリティを突破できるか否かの実験を行っているそうで、この「ハッカーを雇って」という事実がいつの間にか一人歩きして「ウイルスを作っている」と伝わっていったのかも知れません。

「歯科医は虫歯を根絶することができるが、生業のためにこれを行わない」

「半永久的に使用できる電球が開発されているが、売上げ維持のために発表されない」

「ペットのノミ取り薬は、最後の1匹をわざと残すように作られている」

企業の利潤追求や存続にまつわる都市伝説は他にも様々あり、その真相は解明のしようがありません。ところが、こうした「陰謀論」という疑念こそ、都市伝説誕生の母であることは認めざるを得ないでしょう。

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